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カーテンが揺れるのを道から眺める。
電気が点いている。彼女は家にいるらしい。
彼女の家の近くに怪しい奴がいないか確認する。あまり人気の無いここでは、その不審者も
誰からも見咎められることは無かったのだろう。
それにしても、そいつは何をしていたのだろうか。彼女の監視?それにしても何のために。
しばらく考え込んでいると、彼女の家に人が入っていくのが見えた。
男の後姿。以前見たことがある。彼女の弟か従弟だったはずだ。
いくら人に助けを求めるのが苦手といっても、不審者がいるかもしれないのに女の子が
一人でいるのは危ないから、急遽来てくれたのだろう。
本当は俺が行きたい。けれど、親御さんにも挨拶していないのに一人暮らしの女の子の家に
上がりこむのはあまりよくないだろう。
小さく、
『守ってやってくれよ』
と呟いて、その日は家に帰った。
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