第1章

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「ご、ごめんなさい、けど」 「・・・いやすまん、このイベントにお主が全力を賭けているのは知っておったのだがな」 「うん・・・これが最後かもしれないから」  「!?」 「このイベントもしも失敗したら僕はこの研究所を出るんだ。」 「そ、そんなこと・・・なぜ!?」 「師匠に言われた、一定以上の人気がでなかったらここを出ていけって」 「博士が!?」 「・・・よくよく考えたらそうなんだ、僕は失敗ばっかりでゲームが少しできるくらいで、足引っ張ってるからさ」 そう、ブレイブデュエルの開発をしているグランツ研究所の所員ではある栄徒だがこれまでかなりの失敗を重ねてきたのだ 「しかしそれでもいつもお前のアイデアは素晴らしいものであったと・・・」 「それにね人気があってもなくても僕はここを出ていくよ」 「!!」 「・・・ゲームが好きだからこのブレイブデュエルを作っていきたいと思ったんだ・・・けど現実は甘くない、だから最後は」 「っ!!その口を閉じよっ!」 「!!」 「それ以上言うなら縁を切るぞ」 「・・・ごめんね突然」 「もういいっ!そんな気の抜けた男と話したくもないっ!」 ・・・翌日 栄徒「やっぱり僕じゃダメなんだよな・・・はぁ」 溜め息をつきながら街を歩く栄徒 目的地は3ヶ所あるブレイブデュエルの店舗の1つ、八神堂 イベントの最終調整の為向かっている。 栄徒「今回のイベント、会社の社長さんは快く受け付けてくれたけど・・・やっぱり師匠っていう後ろ楯があったからだろうし」 栄徒「いつも僕が任されるのって基本的に雑務だからなぁ・・・」 コーヒー入れ係だの、コピー要員だの、掃除代表だの・・・そんないわれようの栄徒 開発メンバーの一員ではあるのだが、したっぱ中のしたっぱなのだ 栄徒「今回はイベントを考えた本人だからって任せてもらえてるけど・・・やっぱり」 ?「お、おーい」 栄徒「いや、やっぱり最後だからこそ頑張らないと!よーし!!」 ?「き、聞こえていないのか?」 栄徒「へっ?うわぁ!?」 ?「きゃあっ!」 栄徒「あ、アインスさんっ!!?」 アインス「ようやく気づいてくれたか」 銀髪の赤い瞳の女性が栄徒に話しかける。 栄徒「なんでここに・・・お買い物ですか?」 アインス「あぁ、主に頼まれてね」
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