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アインス「辞めてどうするんだ?」
栄徒「しばらくは他の仕事を探して・・・ダメだったら実家に戻ろうと思います。元々無理いってここまで来たから許してもらえるかは分からないんですけど。」
アインス「っ!、じゃあここから離れるのか?」
栄徒「そうなります・・・けど」
言葉が詰まった。
栄徒「こんな土壇場になって離れたくないなんて思い始めて・・・」
今日に至るまで様々な人が栄徒と過ごして共に遊んで、そして最後にはまた遊ぼうと言ってくれた。
栄徒「皆本当に優しいですよね。こんなダメダメな俺に手を伸ばして声をかけてくれて・・・本当に暖かくて・・・」
少し弱気になっている引き止めるのではなく、また遊ぼうといつものように温かく声をかけてくれた。
例え辞めたとしても自分達は友達で仲間なのだと教えくれたみたいで・・・
それを思い出すたびに栄徒は離れたくなくなってしまうのだった。
アインス「栄徒・・・っ!」
ガシッ!
栄徒「えっ?」
アインス「ていっ!」
栄徒のグラスをもったアインスは半分ほど残っていたビールを一気に飲んだ。
一応年齢的には問題ないはずだが飲みなれていないものが一気に飲んでしまっては・・・
アインス「う、うぅ・・・」
栄徒「だ、大丈夫ですか?」
苦しそうなアインスに声をかける・・・すると
アインス「栄徒はいつもそうだ・・・」
栄徒「え?」
アインス「いっつも優しくてそれなのに自分にはちっとも優しくなくて・・・あの日もそうだった」
・・・まだブレイブデュエルが実装する前のこと
アインスは八神堂で一人店番をしており、その日はシュミレーターの起動テストの日だった。
しかし、ここで事件が起きた。
八神堂のシュミレーターでエラーが発生してしまったのだった。
もちろんアインスにはなんの非もないがそれでも一人でそんな現場に立ってしまい、不安に襲われた。
鳴り続けるエラーを告げる音、まだ慣れていない機械の操作、迫ってくる数々のことに泣きそうにもなってしまった。
その時来たのが栄徒だった。
研究所から連絡を受け走ってきたのか汗だくで息も絶え絶えで正直頼りないと思ったが・・・
栄徒「大丈夫ですか?今からなんとかします。待っててくださいね。」
そういってシュミレーターに向かって必死になってエラーの原因を探す。
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