第4章

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ゴシゴシゴシ・・・ ディアーチェ「大体の話は・・・子鴉(はやて)から聞いた。色々大変だったらしいな。」 栄徒「はい・・・」 ディアーチェ「我は部外者、だからそのことにあまり口出しはせん・・・だが先程の言葉には言わせてもらう。」 栄徒「?」 ディアーチェ「お主がおらんと我は困る。」 栄徒「!」 ディアーチェ「我だけではないぞ!?シュテルにレヴィ、それに子鴉の連中にちびひよこ(アリシア)の連中もだ」 栄徒「僕は・・・そんな大層な人間じゃない。」 ディアーチェ「謙遜大いに結構、ただしやり過ぎるとそれは己を傷つける行為だ・・・今のお主をみれば嫌でも分かる。」 栄徒「・・・」 ディアーチェ「なぜ誰も引き止めようとはせずにまた遊ぼうと言うのか分かるか?誰もが栄徒を応援しているから引き止めない。だが一人になろうとしているのをほっておけない、だからまたと約束をしているのだ。」 「栄徒が離れることが、遠くにいってしまうことが・・・なにより栄徒が一人になってしまうのが嫌だから栄徒に手を伸ばして声をかけ続けるのだ。覚悟しろ誰一人としてお主を見放すつもりの者はおらんぞ」 栄徒「・・・なんでそんなに優しくするんですか」 ディアーチェ「栄徒がずっと我らに優しくしてきたからだろう。」 栄徒「僕はなにも「してないとは言わせん」!」 ディアーチェ「シュテルのブレイブデュエルに張り合えるのは我らか研究所の面子以外おらぬそのなかでダントツにやりあっておるのは栄徒だ。あやつもいつも嬉しそうに話しておる。」 「レヴィとはいつも研究所の仕事で忙しくてもたまの休日であっても呼び出されたら合間を縫ってでも共に遊んでやってくれておるのだろ?いつもありがとう」 「ユーリは特にお主になついておる。恥ずかしがりな性格ゆえに同じ目線で寄り添って話し合える栄徒と友達になれたことが嬉しいようだ」 「我も・・・あやつらと一緒にいてくれて、我のことも対等に見てくれている栄徒にいつも感謝しておる。栄徒にとってはなにげないことだとしてもそれらは全て栄徒から我らに送られている優しさなのだ。」 決して自分が大人だからといって驕らず、年下の自分とも対等に向き合い同じ立場で接する栄徒。 情けない姿も知ってる、けどそれ以上に頑張る姿も頼りになる後ろ姿も知っている。
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