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知っているからこそ・・・!
ディアーチェ「だからこそ我らは栄徒と離れたくないと思う。たくさんの優しさをくれる栄徒に我らもそのもらった優しさを返したいのだ。」
頑張る姿に元気をもらった。
共に過ごして楽しい時間をもらった。
同じ目線、立場で話してくれた。
栄徒にたくさん優しさをもらったから返したい。
今が辛いと感じている栄徒を助けたい、栄徒の笑顔を取り戻したい。
ディアーチェを初めとした栄徒と関わった皆の思いは一緒だった。だから手を伸ばし続ける。
ディアーチェ「・・・長く話しすぎたな、先に上がる。今日はここに泊まっていけ博士にも伝えてある。」
・・・風呂から上がると、そこにいたのは
グランツ「やぁ」
栄徒「!所長」
グランツ「ディアーチェからは後は頼むと言われてね。少し話をしないかい?」
・・・
グランツ「ここまでのことは聞いたよ。まず謝らせてほしい、申し訳ない。」
栄徒「!、そんな所長はなにも!!」
グランツ「あのとき僕がかけた発破がここまで君を追い詰めるとは思わなかった。それに研究所の皆も君に会いたがってるよ、会って謝りたいとね。」
栄徒「なんで皆さんが?」
グランツ「これを」
渡されたのは紙の束
栄徒「これ、僕が今まで書いてきた企画書」
グランツ「そう、今回のイベント以外にもたくさんのことを君は企画してくれた。僕はいつも驚いていたよ。とても素敵な考えの数々、研究所の皆も驚いていたあの栄徒がこれを!?ってね」
ぺらり、企画書を一枚捲る。
そこにはもっとこうしたほうがいい、というアドバイスや訂正箇所の指示が書いてあった。
グランツ「私がアドバイスを書くと他の皆も書いていくんだ。もっと素晴らしいモノを栄徒と作りたいと思いながらね。」
結局渡しそこねていたけど、と少し申し訳なさそうに話すグランツ博士
ページをめくっていく。どのページも知ってる内容だったがどのページにもたくさんの言葉が書かれている。
グランツ「いつもはなにも言わないが皆は栄徒に期待しているんだ。だからこそもっとちゃんと伝えるべきだったと私も含めて反省しているよ。もっと早くに伝えていたら・・・」
ポタッ・・・ポタッ・・・
グランツ「今みたいに君が涙を流す必要もなかったのにね」
企画書に滴が溢れていく。
読むたびに涙が溢れた。
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