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カウンターにいるうちは、人の目も青木さんの目もある都合上敬語を使うが、今、この隅の棚の奥なんて誰もいない。
だから遠慮なくタメ口をきいてやる。
「お前、いい加減その主義とやらを曲げろ。いや、これ以外の事なら別にいいだろう。けど、恋愛ってヤツは思い込んでどうにかなるもんじゃねぇだろ。」
真っ直ぐ見つめる瞳を見つめ返す勇気がなくて、置き場所を探すふりして身体ごと背を向ける。
「……それでもオレは、加瀬さんが好きだと思う。」
一瞬空いた間の後、至極真面目に、丁寧に言葉を重ねられた。
ーーああっ、もう!!
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