第1章

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意気揚々と向かったのだが。 「え、今日は日帰り入浴お休みなんですか?」 「大変申し訳ございません。本日は団体客様が多く、日帰り入浴はお断りしておりまして・・・わざわざ足をお運びいただきましたのに申し訳ございません。よろしければ、次回の入浴割引券をお持ちくださいませ。」 次回じゃダメなのに。今日は宗介と会うから、今日じゃなきゃダメなのに。 不貞腐れながら車に戻る。 部活帰りの汗をかいた身体では、エステも行けない。 仕方なく家に戻りシャワーを浴びて、パックをしながらボディークリームを塗る。 もう少しで塗り終わる、という頃に携帯が鳴った。 宗介かもしれない、と慌ててタオルでボディークリームを拭き取り携帯を手に取ると、そこには幼馴染の由香の名前が表示されていた。 「何だろ。めんどくさいな、、、」 由香は昔から、突然電話をかけてきては突拍子も無いことを言い出したりする。 今日は宗介と会う予定があるだけに、めんどくさいことにならないよう、出ないでおこうと思ったがなかなか携帯は鳴り止まない。
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