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毎日帰宅する時間を狙ったかのようにかかってくる電話。
それは、受け持っているクラスの生徒の1人で、不登校の男子生徒の母からだ。
今日はいきなり涙声で始まった。
「片瀬先生。たすけて下さい!」
この生徒は夏休み明けから、
不登校になった。
理由ははっきりしない。
だからこそ母親はなすすべがなく、
やり場のない不安や怒りを
毎日こうして私に電話してくることで
紛らわせている気がする。
最初は親身になって聞いていた私も、
冬が来る頃には疲弊してきた。
もはや、親身どころの話ではない。
電話は曜日を問わずかかってくる。
スモーカー被害にでも遭っている気分だ。
年中無休。24時間体制。
こんなの、おかしい。
親身に話を聞けなくなり、やがて着信に怯えるようになった。
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