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何度目か分からない溜め息をついた時、
携帯がまた鳴る。
溜め息をつきながら手を伸ばし、
画面を見た私は
慌てて二階の部屋へ駆け上がった。
宗介からだ。
「もしもし」
「凛?何か声おかしい。」
宗介は、もしもし、だけで敏感に
私の疲れを読み取ったみたいだった。
「うん。・・・さっきまでまた
電話きてたから。例の。」
「またかー。凛、大丈夫か?」
「大丈夫かと言われたら大丈夫じゃない、
かな。
・・・宗介に会いたい。」
宗介は電話口でふふ、と優しく笑い、
「そんな凛ちゃんに良いお知らせ。」
と切り出した。
「今週末さ、部活の大会が
そっちであるんだ。
でさ、・・・」
宗介はまたふふ、と含み笑いをして
もったいぶる。
「泊まり?」
たまらず先を促す私に
「凛、正解。」
と言って、宗介はまた笑った。
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