第1章

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何度目か分からない溜め息をついた時、 携帯がまた鳴る。 溜め息をつきながら手を伸ばし、 画面を見た私は 慌てて二階の部屋へ駆け上がった。 宗介からだ。 「もしもし」 「凛?何か声おかしい。」 宗介は、もしもし、だけで敏感に 私の疲れを読み取ったみたいだった。 「うん。・・・さっきまでまた 電話きてたから。例の。」 「またかー。凛、大丈夫か?」 「大丈夫かと言われたら大丈夫じゃない、 かな。 ・・・宗介に会いたい。」 宗介は電話口でふふ、と優しく笑い、 「そんな凛ちゃんに良いお知らせ。」 と切り出した。 「今週末さ、部活の大会が そっちであるんだ。 でさ、・・・」 宗介はまたふふ、と含み笑いをして もったいぶる。 「泊まり?」 たまらず先を促す私に 「凛、正解。」 と言って、宗介はまた笑った。
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