僕は雨子ちゃんを好きになる

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僕は雨が嫌いだ 外に出るとシャツや靴が濡れてしまう 友達と出掛ける予定だったのに嫌な気持ちになってしまう 「おはよう!お母さん、今日も雨なんだね‥」 「そうね、雨みたいね」 「僕、雨が嫌い‥濡れるし、楽しみにしてたピクニックとかの予定も中止になっちゃったりするから!」 「そうね、母さんも洗濯物が乾かなくて困っちゃうな」 「だよね!」 「でも好きなる方法なら知ってるわ」 「嘘!?」 「本当よ、雨子ちゃんの話を聞かせてあげる」 ーーー その町には雨の日にしか公園に現れない雨子ちゃんと呼ばれる女の子がいました 雨子ちゃんは雨の中、カッパ姿に長靴を履いて楽しそうに水溜りの上をパシャパシャと走り回っていました 公園の近くに住んでいた男の子は窓から、1人遊ぶ雨子ちゃんを見ていました 男の子は、あまりに楽しそうに遊ぶ雨子ちゃんを見てお話したくなりました 男の子は傘を持って雨子ちゃんの所にいきました そして勇気を出して話しかけました 「ねぇ!君は雨が好きなの!?」 ザーザーと雨の中、雨子ちゃんは振り向きました 「あなたは好きなの?」 「‥うーん‥嫌い、友達と外で遊ぶ予定だったのに駄目になっちゃったりするし‥」 「それじゃあ海は好き?」 「えっ?‥海は好きだよ!泳いだり、泥遊びが出来るからね!」 「‥それじゃあ、これをあなたにあげる」 雨子ちゃんはそういうと、カッパの内側に背負ってたリュックから男の子にカッパと長靴を渡しました 「着てみて」 言われるがままにカッパを着て長靴を履きました そして持っていた傘を置きました 「走ってみて、思いっきり全力で」 「う‥うん」 パシャパシャ、バシャバシャ パシャパシャ、バシャバシャ 「あはは!楽しい!ただ走ってるだけなのに!」 しばらくすると走り疲れて、2人は公園のベンチに座っていました 「ねぇ雨は嫌い?」 「えっ‥‥最高だよ!晴れた公園を走るもの気持ちいいけど、雨の日もいいね!」 「よかった‥好きになってくれて」 「うん!カッパに長靴ありがとう!‥‥あれ?」 雨子ちゃんの姿が消え、雨が晴れていました そして太陽が顔を出し、男の子はキラキラ光る公園を眺めました ーーー
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