4.端田 康平

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4.端田 康平

「おっはよ、佳世ちゃん!」 「おはようございます。端田さん」 「相変わらず他人行儀だなぁ。康平でいいぞ!?」 「いえ、結構です」 「冷めてるなぁ…それより、今日から新人が入るらしいぜ」 「社内で噂になっていますね。なんでも、あの上池さんが直々にヘッドハンティングしてきた人だとか」 「びっくりだよな、ヘッドハンティングなんかするんかよあの人」 「ふざけた話だ」 「…随分不機嫌っすね。真下さん」 「あんなぁ、こりゃ当てつけだよ。俺たち社員へのな」 「当てつけぇ?」 「そうだ。上池の奴のな!あいつからすりゃこの会社の人間より外部の人間雇った方が有益だと思ってやがるんだ。だからわざわざ他所からヘッドハンティングなんてしてくんだよ」 「曲解しすぎすよそれ…」 「いいや、そうに違いねえ!!」 「…相当嫌いなんですね…」 外川産業営業部は、朝から本日入社する新入社員の話題で持ちきりだった かく言うこの俺、端田康平も気になって仕方がなかった この会社一の極悪人間と呼ばれているあの上池さんが直々にヘッドハンティングした人間というのがどんな人物なのか… 噂は様々で、エリート商社マンだとか、ライバル会社の役員だとか、上池さんの身内だとか… だがどこから発生したのか、一番笑える噂はコンビニのバイトをいきなりスカウトしたなんて話も出ている 破天荒なあの人ならありえなくもないが、もしそうなら社員の反感は想像を絶するだろうな なんせあの人は以前朝礼でこう言い放ったんだから 『あなた方の意識を改革しない限りこの会社はこれ以上の躍進は見込めない。この会社はずっと足踏みしている』 取り方は人それぞれだが、少なくとも俺には「今の社員は昔に比べどいつもこいつも無能ばかり」と言ってる様にとれた そんな事を言い放った人が、コンビニバイトをヘッドハンティングしたなんて言やぁそれはもう皮肉にしか見えねえ。真下さんの怒りも尤もだ
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