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2. 上池 由伸
物心ついた頃からお山の大将気取りで、ガキ時分から何でもてっぺんにいなきゃ気が済まなかった
中高でも校内ヒエラルキーの頂点にいたし、パシリも4.5人はいた
腕っぷしも強く顔もなかなかの男前なもんで女もそれなりに寄ってきてた
慕ってくれる奴だっていたし親友に近いダチだっていた
高校を卒業しなんとなく就いた建設の仕事は上の人間がムカついたからボコボコに殴って辞めた
その後、自営業でもしようかと考えたが資金繰りが面倒そうなので辞めた
そんな時偶然舞い込んできた話が、ツレが勤めている会社に来ないかという話だった
仕事に就かないと明日食う飯も困るため即答で行くと言った
その会社こそが俺の人生を大きく変えた、外川産業だった
何でもそれなりに上手くこなせてた俺は態度も人一倍大きく言葉も横柄で傲慢だった
だが持ち前の攻撃的な性格と、誰にも文句を言わせないスキルを持つ俺に口を出せる奴はいなかった
そんな俺は周りを置き去りにメキメキと頭角を現し気が付けば役員にまでなっていた
そうして自信と慢心を増長させ続けた先に
唯一俺が人生に於いて、絶対に勝てないと悟らされる人間が現れることになる
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