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「兄が・・シルフィが日本に来る・・」 えっ?・・シオンのお兄さんが? 確かアイルランドに住んでるって言ってたよな・・ 「へぇー。そうなんだ?」 この間はシオンの双子の妹、今度はお兄さんて、兄妹、仲が良いんだな・・俺は一人子だから羨ましい・・ 「良いね、どんなお兄さんなのか楽し――」 「悪魔だ!アイツは悪魔なんだ!」 ・・へ?悪魔?・・俺の話しが終わらないうちに尋常じゃない形相でシオンが言い放った。 シオンの話しによると3才違いのお兄さんはウェルズリの長男として生まれながら一族のしきたりや伝統を尽く無視して自由奔放な俺様気質の人らしい。 ・・俺様気質て・・シオンの家の伝統かよ? なんでも酷い悪業を重ねてるらしく・・ 「アイツはウェルズリ一族の人間であるにも関わらず妖精たに・・酷いことをしてるんだ」 ・・酷いこと?・・シオンの話しによると、妖精の中でも特に酷いめに遭わされたのが黒猫の姿をしたケットシ―らしい。 ケットシ―は今、シオンの屋敷に棲みついてて俺に随分懐いてる・・俺も良く知ってる妖精だ。
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