412人が本棚に入れています
本棚に追加
ーー三神家。
読み方として、「みかみけ!」というとどっかで聞いたことあるアニメだか漫画だかに雰囲気がかなり似てしまうかもしれない。
だが、残念ながら「みかみけ!」には可愛い萌え系姉妹などいない。
のほほんともしていない。
日常系からはかけ離れている。
寧ろシリアスで日常離れしすぎている。
そして…俺、三神劉(ミカミリュウ)から、日常を奪った原因である。
三神家の歴史は気の遠くなるほど昔にさかのぼる事が出来る。
なんでも、平安貴族が歌詠みを楽しんだり、木の人形に釘を打ち付けて呪いをかけていたような時代まで遡るらしい。
要するに、陰陽道が信じられていた時代だ。
これから話すことは、みんな亡き祖父から聞いたこと…
三神家の血族は代々他人より「霊気」と呼ばれる、生物が発するオーラの様なモノが濃い。
そして、「霊気」は異界の者…いわゆる妖(アヤカシ)にとって、貴重な栄養源且つ、ご馳走だ。
妖にとって、霊気は美味であるだけでなく、自らの妖力を引き上げる【万能薬】のようなものなのだ。
霊気の質や味は「濃さ」に比例する。
つまり、三神の血の霊気は妖たちにとっては最高のご馳走だったと言える。
だから…三神家はよく妖に狙われた。
最初のコメントを投稿しよう!