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海水浴場へは交番から徒歩5分、その道を後輩に運転を任せ車で向かう。
「人が1人、意識不明で倒れてるらしいですよ。」
「熱中症なら病院に電話してくれねぇかな。」
「もちろん病院にもこちらから連絡しておきました。でもどうやら熱中症では無いみたいなんですよね。そばに居た女の子が『私のせいで……』って泣いていて話にならないみたいなんです。」
「そうなると男が他の奴から女を守ったか、女が男を殴ったかって状況か?」
「まぁ多分そうでしょうね……あっ、海水浴場が見えましたよ!!被害者は海の家で安静にしているそうです。」
海の家にたどり着くと中は野次馬か客か見分けがつかないほどの人で溢れかえっており、人の波をかき分けるようにして被害者の元へと進む。
やっとの思いで被害者の元へたどり着くと、被害者の男の子は水着姿でタオルを敷いたベンチの上に寝かされており、その横では床に膝をついた女の子が水着姿のまま男の子の胸に突っ伏すように泣いていた。
高校生ぐらいのカップルだろうか。寝かされている彼の顔はまるで死人みたいに青白く、こんな言い方をするのは適切ではないかもしれないが少し気味が悪い。
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