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しばらく歩くと、古びた古本屋が見えてきた。 近づくにつれ貴和子は、奇妙な違和感を感じた。 新しくできたにしては外観が、もう築何十年も経っているように見えるのだ。 「やっぱり、ちょっと変ですよね…」 ええ、と貴和子が頷く。 「どうします?」 「なにがかしら?」 不安げに卯月は貴和子の顔を見る。 「入ります?相田はちょっと怖いです…」 それなら、と貴和子は可笑しそうに笑った。 「外で待っている?めぼしい本があったらすぐに戻ってくるから」 こくこくと頷いて卯月は入口付近に体育座りした。 最近の女子高校生はスカート丈が長いので、下着が見えないからできる芸当だ。
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