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そして向かった先は、村から少し離れた場所に在る洞窟だ。
此処は、昔イリョスが、ルアに教えた秘密の場所。
「お待たせ!イリョス」「ありがと!ルア」
「うぅん!貴方の為なら、いくらでも!」
「なんだって?」「うぅん、なんでもない!気にしないで!」
イリョスは、珍しく真剣な顔で、ルアに相談し始めた。
「なぁ、ルア」「うん?」
「この村から、抜け出さないか?」
「えっ?」
ルアは、突然の提案に、戸惑った。
「そうすればさ、二人とも自由になれるし!」「でも・・・!」
「そうだ!俺も生贄になる必要がないし!」「協力してくれるって言ったじゃん!!」
「でも・・・!それで、俺は助かるのかよ!!」
ルアは、黙ってしまった。なんと返答すればいいのかわからず。
そして畳みかける様に、イリョスは、
「おれは、まだ死にたくねェし・・・それに!」
「もぅいい・・・!」
ルアの言葉が、洞窟中に響き渡った。
今まで聞いた事のないルアの声に、イリョスも戸惑った。
「ルア。」
「イリョスの馬鹿!知らない!」
そう言うと、ルアは、洞窟から出て行ってしまう
「ルア!!待ってくれ!!」
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