後日談 マイヤール辺境伯家の婿入り事情

28/32
前へ
/300ページ
次へ
 優しく揺さぶられながら、コレットは悦楽に身を委ねた。  セルジュの肌が、体温が、全てが愛おしくて堪らない。ひとつになれた悦びで、身体がどうにかなってしまったみたいだ。 「あっ、は、セルジュさ、いい、気持ち、イイッ」 「コレット……コレット、コレット……」  お互いの言葉なんて理解していなかった。ただ譫言のように、同じ言葉を繰り返した。  セルジュの腰の動きが徐々に力強さを増していく。奥の奥を穿つように熱い楔が突き上げてくる。絡みつく襞をぐちゃぐちゃに掻き混ぜられて、感じる部分を何度も何度も責められた。  ぎしぎしとベッドが軋み、白いシーツが波を打つ。繋がった一箇所がじゅぷじゅぷと音をたてて、甘やかな嬌声が部屋に響く。 「あっ、あっ、あっ、ああっ……!」 「うっ……く……ぁああっ!」  獣のような咆哮とともに、コレットのなかでセルジュが爆ぜた。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

243人が本棚に入れています
本棚に追加