現実

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ねぇ、今日は遊んでくれないの? あるはずのない声が教室に響いた。今は授業中、誰も聞こえていない声が私には届く。板書中の隣の席の少女の声が、私に問いかける。 うるさい。黙れ、私の世界から出てくるな、お前は私の中に入ればいい。 私はそう心の中で強く思い彼女の声を、今は私の世界の存在ごと消した。最近彼女の出現する頻度が高まっている。というか、意識をしていないと必ずと言っていいほど視界の中に存在している。 存在、というのとは少し違うのかもしれないのだけれど、私には見えていた。彼女、もう1人のRが、 しかし、今まで通り私の世界で自由にすることは出来る。 私が望めばその通りに喘ぐし、目の前で自慰だってさせることが出来る。裸体を晒しながら街を歩けと願えば実行する。彼女は私には逆らえないのだ。しかし、声の質、肌の感触、表情、全てが実物と同等くらい鮮明に想像ができるようになってきたことと共に、私の世界の彼女に感情が芽生えてきたことを、薄々と感じていた。 このままでは彼女に侵食されてしまう。そう思った朝、私は現実のRに話しかけてみようと決心をした。 現実のRと親しくなる事より私の世界のRの存在を薄くしていこうと思ったのだ。現実で付き合えればそれでいいしね、 「お、おはよう...!」 私は焦点を精一杯Rに合わせ、話しかけた。 「おはよう、珍しいね、君から話しかけてくるなんて」 「う、うん。時には声を出さないと日本語を忘れかねないからね..!!」 気が狂っておかしな事を言う私に人形のような美しい眼を向け、彼女は笑顔で受け止めてくれた。 私はやはり彼女が好きだ。結局その夜も彼女を脱がした。目の前で脚を開かせ陰部に自身の指を入れさせた。愛液と指が混じり合ういやらしい音と共に聞こえる彼女の吐息が私を興奮させる。行為後、私は喘ぎ疲れ力の入っていない彼女の顔面を2度殴り、ベッドの隣の棚に置いてある空き瓶を拾った。それを彼女の行為後、精液と愛液により湿った陰部に挿入し、鳩尾に拳を入れる。バキッと彼女の体内から瓶の割れる鈍い音がした。
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