歪想 弐

人工精霊

｢うるさい！まだ寝かせろ！妄想の分際で僕を起こすな！｣
朝からRに起こされている。最近はとうとう目覚まし機能まで追加されてしまっている。全く有難くない物だ。
(あら、貴方の世界では散々愛し合ってた癖にそれはないんじゃない？愛し合ってる人に起こされてるんだから嬉しいとか幸せとか思わないの？)
彼女の声は脳に直接響くので耳を塞いでいてもまるで意味が無い。 朝から自室で叫び出す私、に母は最近不安で体調を崩してしまい、入院をしているし、母と喧嘩した姉は男の家に居候をしている。そのため私は自炊をしなければならないし彼女と二人きりの生活を送らなければならない。私の思考回路は彼女には分かっているらしく、会話は声に出さなくても出来る。そのため、思っていることをすべて見抜かれている。 しかし、この現象は私の精神状態が大きく反映されていることがわかった。私が心を強く持っていれば彼女は現れない。朝など、不安定な時は必ず現れる。つまり、学校生活中は気を緩められない状況にいる訳である。授業も眠らなくなったし、いいんじゃないかな、と思うこともある。