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(起きなさいよ、もうすぐで遅刻だよ、本物の私に嫌われてもいいの?)
時計を見ると8時30分、後15分以内に着席していなければ遅刻とされる。私はRの目覚まし機能を無視し支度を急いだ。
(起こしてあげんだから感謝くらいしなさいよね、ほんと)
「うるさい!お前が昨日呑気に空を飛んだり地面からタケノコみたいに生えてたのが原因で疲れてるんだよ!!」
私は声を荒らげて言った。誰も居ない家の中に私の声は響き渡り恥ずかしかった。高校生1人で叫んでいるなんて近所の人もびっくりしている事だろう。 私は家を出て走った。彼女は影となり私を追いかけてくる。いつかの体育の時のように急停止してみた。彼女の影は私にぶつかり、尻もちをつく。
その瞬間私は猛ダッシュをする。それと同時に彼女を消し去る為に気を引き締めた。ギリギリで遅刻は免れたが、疲れ果ててしまい授業中に寝てしまった。
「起きなよ、もう学校終わったよ、」
肩を揺さぶられ私は目覚める。目の前にはRがいる。触れられている、現実だ。 どうやら私は朝から放課後まで爆睡していたらしい。
「ついこの間褒めたばかりなのにこれはないんじゃないん?」
Rは少し険しい表情で私に問う。
そんな事言ったって君が悪いんじゃないか... なんて言えるわけも無く、ただ俯いたまま、うん。としか言えなかった。
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