第一章・道を逸れて

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  そう私は迷い込んだ、深い深い山の中へ   かんかん照りの太陽さえ遮る深い木立の道なき道を歩く   苔むした岩肌に大木の根が喰らい込む   頭上では何という鳥だろうか気味悪くグワーグワーと   気味悪い声を上げている   何時終わるとない道なき道に恐怖すら覚える   何時尽きてもいい命だと思っていたが   この孤独は耐えがたい   太陽が望めぬ鬱蒼としたこの中では方向さえ分からぬ   滴り落ちる水を口に含み一歩一歩と足を進める   どれぐらい歩いただろうか   もう歩くのを止めようと思った時   森の端に明かりが見えた   空だ・太陽の光だ・やっと方向が分かった   太陽を追ってみよう   今度はやぶの中を進む   手に持った鉈で蔓やイバラを切り進む   そして聞いた潮騒を・・・   
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