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「もしかしたら、こっちのヒトじゃなかったかもね」
「……うん、考えてた」
というか、そのことは考えないようにしていたんだけど。
ティセアにはっきり言われると、ヘコむっていうか…
ヒトメボレって、その場でどうにかしないとあとから後悔するだけなんだ。
繋がりなんてどこにもないし、誰かの知り合いとかでもないし。
あのヒトを知る術はないって、痛感する。
「あたし、もう覚えてないから捜せないわよ」
あたしだって、若干…思い出せない時があるけど。
自然と忘れられるなら、このままでも…
「けど、あんたがここまで忘れないって、そこはもう捜し出せってことなんじゃない？」
ヒトが若干、諦めようかな…とか思ってる時に、そんなことを言われて。
他人事だと思って、軽く言ってくれる。
「捜し出せたら何かくれるの？」
「意味がわからない。捜すのは自分のためでしょ」
イヤ、うん、そうなんだけど。
なんかこう、ご褒美があるとやる気が、ね？
もちろん、ホントにそれのためにやるわけじゃないけれど。
「それとも、それっぽっちの気持ちだった？」
「……わかんない、それっぽっちもこれっぽっちも会ってみなきゃ、確かめようがない」
「それもそうね」
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