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星の数ほどヒトが溢れてるこの世界で、どうしてアナタだけじゃないとダメなんだろう。
あがいても、もがいても、想いを叫ぶのに届かない。
海に…波に足を取られて先に進まず、なのに振り向いて手を引いてくれるヒトは誰もいなくて。
誰でもいいわけじゃない。
どうしたって、やっぱりアナタがいいんだ。
でも…アナタは──
「──み!亜未!」
「……うん、大丈夫、ただの夢だから」
「だったら、そんな真剣な顔して語らないでよ。こっちは何かあったのかと思ったわよ」
昼休み、OLの友人に誘われてお洒落にランチタイム。
そこで、ちょっと真顔で今朝見た夢の話をしたら、長いつきあいなのに本気に取られてしまった。
だいぶはしょったけど、あの夢結構長かった気がする。
「どんなことしたら、そんな夢見れるわけ?」
「えー?昨日は普段通りに仕事してただけよ?」
いつも通り昼に出勤して、いつも通りパソコンにかじりついてただけ。
変な夢を見るほど、欲求不満でもなんでもない、ハズ?
「あんたの仕事、特殊だからじゃない?」
「特殊、かなぁ?」
「そうなの。だから現実逃避でそんな夢見たのよ」
現実逃避かぁ…
あり得ないこともないな。
もうすぐ誕生日だって言うのに、祝ってくれる相手もいないし。
何年いないっけ?
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