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水の初子の弟妹は、
やはり水気は吸えねども、
父に良く似た傲慢で、
二足で歩いて広がった。
増えて広がりこれでは狭いと、
埋めよ増やせよ《水の島》。
ならねば母をも呪おうぞ。
憎むと脅して使役する。
水の初子の子どもらは、
いついつまでも悲しんで、
哀しみの泥をはい回り、
やがて母なる海へと還る。
母なる水はもう二度と、
天の子生まぬと決意する。
かなしみひしがれ重さのあまり、
死ぬることさえ奪われた。
これがわれらのはじまりである。
われらの呪いのはじまりである。
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