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特殊零係
「本日付けで、警視庁捜査一課特殊零係に配属となりました。柊警部補であります。よろしく、お願いいたします」
「これはこれは、柊警部補。私は、係長の猫山です。よろしく、お願いします」
見るからに温厚な性格をしていそうな、こちらが猫山係長。かつて『鬼の猫山』と呼ばれた鬼刑事であったそうですが、その面影はすでになく、見るからにショボくれた初老の男。
この猫山係長が率いるここは、捜査一課特殊零係。犯罪の中でも特殊な事案を担当している。聞こえは良いが、様は厄介事を担当する部署で、霊能力殺人など頭がおかしいとしか思えない様な事件を担当している。
所謂、左遷であり、ある事件での謹慎処分がとかれた私の異動先である。
「それで柊くん。こちらが、君のパートナーの六須くんです。自己紹介どうぞ」
「初めまして、六須当麻です。よろしくです」
「よろしく」
短く整えた髪に、やや細身の身体。一見、好青年に見える彼ですが、やはり曲者揃いの零係だけに、この六須も変人であった。
「柊さんて、あの柊さんですよね? うわーこんな有名人にお会い出来るなんて光栄です。サインもらってもいいですか?」
「サイン?」
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