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「はい、サインです。僕、犯罪マニアなんですよ。それにしても、あの有名な柊さんがこんな美人だったとは――。胸も大きいし、全然ヤれます。あっ、この紙にサインをお願いしま――」
「お断りします」
六須が手渡してきた紙を、私はその場で破り捨てた。
なんてデリカシーのない男。警察官を目指す人間には、大きく分けて三種類の人間がいる。
一つは、正義感の溢れ、世のため人のために警察官になる人間。
二つ目は、正義のなのもと、権力と安定を欲する人間。キャリア組と呼ばれる、警察官の大半がここの分類に入る。
そして、最後がこの六須の様な犯罪マニアである。犯罪が好きで仕方のない、彼らの様な人間は警察官になることで、常に犯罪と共にいれるメリットがある。正義のためとか、権力を手にするためとか、安定のためとか、そんな理由とは無縁であり、ただ己の私欲のために行動する。
私のもっとも嫌いなタイプの人間である。
「まあまあ、柊くん。六須くんも悪気があるわけじゃないですから。ただ、人よりちょっと素直なだけなので、今日のところはこれで――」
「これのどこが素直なんですか? はっきり言ってセクハラです!」
「弱っちゃいましたね……。六須くん、謝ってください」
「はあ――、どうもすみませんでした」
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