ACT.1 山田部とかいうよくわからない組織

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 と脳内で呆れる太郎少年をよそに、部長はさらなる口上を浴びせる。 「そのためには、いかに山田という名字の人間が優秀であるかを示す必要があるのだ! だから! 諸君らには今日から、あらゆる物事にチャレンジしてもらってだな!」  なんとも熱い志だ。彼の瞳には、燃えるような闘志が宿っている。この男は、本気で「山田」という苗字のパブリック・イメージに革命を起こそうとしているのだ。    だが、そんなあがきが、一体何になるというのだろう?  彼がヒートアップすればするほど、それに反比例するように太郎の気持ちは氷のように冷えていった。  周りのイメージを変える? そんなの、無理に決まっている。他人の印象なんて、変えられない。変えられるのは自分だけだ。自分が諦めたほうが、ずっと簡単なのに。 「くだらない」  気がついた時には、言い切っていた。太郎にとって部長は三年生なのだから、当然先輩にあたるわけだが、言わずにはおられなかった。ここにきて、ずっと溜まっていた山田部部長への鬱憤が、留まることを知らず流れ出る。 「突然連れてきて、何かと思えば、山田という苗字に革命を起こす? 挑戦だ? なんて幼稚で馬鹿馬鹿しいんだ! そんなことして、何になる! 冗談じゃない!」     
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