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「部長! 早く!」
床に太郎を下ろしたアリスが叫ぶ。部長はなんとかTZー1000の腕から逃れ、ステー
ジに向かって走りだした。壇上に手をついたところで、左足首をTZー1000が掴む。右
足で蹴散らし、えづきながらステージに登る。
その頃にはもうゲートが閉じかけていた。
「部長! 早く!」
「急いでください!」
アリスと太郎が急かす中、部長は「うおおお!!」と叫んで、ゲートが閉じる寸前にス
ライディングで中へと滑りこんだ。閉じきったゲートの向こう側で、ガシャーン! とマ
シンがゲートを叩く音がした。
はぁはあ、と胸で息をする部長は、ほうぼうに立ち上がる。
「ギリギリだったな」
と言った瞬間。
「部長、後ろ後ろ!!」
太郎が恐怖に染まった面持ちで部長の後ろを指差す。
「へ?」
と部長が間の抜けた声を発すれば、ビーーとレーザービームが丸くゲートを切り抜いて
いるではないか。
「うああああ!」
転げそうになりながら部長は走りだす。
アリスと太郎は既に半分扉の外へと出ており、そこから部長に手招きしている。
扉は頑丈な鉄でてきていた。
とうとうゲートが繰り抜かれ、ガシャーン! と足音をたててTZー1000が入ってき
た。
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