ACT.2 生徒会棟

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 最上階の三階へと上がり、そこに広がる光景を見て、太郎は感嘆した。 「うわ、すげー……」  一言でいうと、宇宙船の操縦室。空間全体は、清潔感溢れる白で統一されており、近代 的な設備が整っている。  階段から顔を出せば、そこには楕円形のテーブルが据えられていた。足は白くペイント された樹木で、天板は分厚いガラス。そこに無造作に洒落た椅子が五脚、並べられている 。 「ものすごくお金がかかってそうですね。うちの部室とは大違いだ」 「クソ、生徒会め、寄付金でこんな贅沢しやがって……!」  悔しげに吐き捨てる部長。三人は、テーブルの脇を抜けて、更に室内の奥へと移動した 。壁には、歴代の生徒会長の肖像写真が飾ってあり、それを眺めながらの移動である。 「校長室に校長の写真はわかりますけど、生徒会長の写真って。どんだけ生徒会好きなん ですかね、ここの人たち……」  テーブルの奥の壁には、三十以上はありそうなモニターが据えられていた。まるで監視 室のようだ。おそらく学園内の監視カメラの映像は、ここですべてチェックできるように なっているのだろう。さらに、そのモニターの下には、タッチパネルで操作できる透明な     
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