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制御機械が据えられている。その機械の前にも、近代的なスチール製の椅子が三脚、並べ
られていた。見れば、その椅子が一個、埋まっている。
「すかー」
椅子にはひとりの少年が陣取っており、それは気持ちよさそうに眠りこけていた。機械
パネルに突っ伏しており、顔は確認できない。アリスに負けないくらいの金髪だ。さらに
両耳にシルバーのピアスが何連も下がっている。
「すんごい派手な人が寝てますよ」
「起こすか」
部長はその人物に駆け寄って、肩を叩く。
「すいませーん、なんか、セキュリティシステムがおかしいんですけど」
「ぐおー」
「だめだ、こいつ全然起きねえ。お前たちも手伝え」
アリスと太郎も加勢し、少年を揺さぶるが、起きる気配はない。少年は、部長に負けず
劣らずの長身と筋肉の持ち主であり、鼾声もかなりうるさい。
「おい、いい加減にしろ!」
しびれを切らしたアリスが、少年の座る椅子を蹴り上げた。その衝撃で、少年は椅子か
ら転げ落ちた。
「ぐがあ!!」
少年が突っ伏していた場所の機会パネルが顕になる。それを見た三人は、動きを止めた
。
「セキュリティーレベル、マックス……」
部長の口から、今見ている光景がそのまま描写された。
少年が今まで腕と顔を預けていたパネルには、セキュリティーレベル・マックスのボタ
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