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ンが煌々と点滅している。太郎は無言でそのタッチボタンを押した。点滅は止み、「セキ
ュリティーレベル、通常レベルに移行」とTZー1000とは違う、柔らかい女性の音声が
響いた。
無表情でそのパネルを見つめている三人の足元で、「ふわぁ~!」と欠伸が聞こえてき
た。
「あーよく寝た」
金髪の少年は大きく伸びをすると、目の前にいる三人組に気がついた。
「あれ、お前たち、何かようか? あ、もしかして稟議書の提出か? まて、今判子をや
るから」
彼は立ち上がり、ポケットをまさぐる。そして、三人組がボロボロになっているのに気
がついた。
「お、なんでそんなにボロボロなんだ? まさか螺旋階段でころんだか? いやあ、俺も
油断するとよくあそこで、」
その言葉の途中で、ゆらり、と山田部長が揺れる。
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