ACT.2 生徒会棟

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その言葉の途中で、ゆらり、と山田部長が揺れる。 「聞く耳持たぬーー!!」  部長の拳が金髪少年の鳩尾にめり込んだ。 「ぐあっつはぁ!!」  思い切り少年の体が吹っ飛んだ。さらに追い打ちをかけるように太郎が蹴りあげる。 「この学費泥棒がぁー!!」 「げはあ!」 「てめえで管理できねえならセキュリティーシステムなんて導入すんなスカタンがぁー! 」  アリスのパンチが少年の鎖骨を抉った。 「がっぱぁ!」  そこで完全に少年の意識は途切れた。  白目を向いて、気絶する少年。  部長は少年に近づき、遠慮無く胸ポケットに手を入れた。そして「認可」の印鑑を取り 出す。 「太郎」  部長に呼ばれた太郎は、懐から「新設部届」を取り出す。部長はそれを受け取り、しっ かりと判子を押した。印鑑はシャチハタだった。  電灯に透かしてしげしげと眺める部長。  部長はそれを掲げ、太郎とアリスを見た。 「これで山田部成立だ!」  太郎とアリスは、部長を見上げ、大きく頷く。 「はい!」  まだ決して仲が良いとはいえないふたりの声が重なった。
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