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「ぶ、部長、なんかこの人、すごい美人じゃありません?」
が、山田はケッと唾を吐き捨てん勢いで毒づく。
「おい太郎、人は見た目じゃねーんだよ。開口一番で他人に媚びを売るとは、この女、見てくれはA級でもきっと中身は不良品だぞ」
山田の妙に説得力のある物言いに、アリスも隣でしたり顔で頷いた。
「産業廃棄物」
「生ごみ」
「ちょっと何本人目の前にして堂々と悪口言ってんのよ! なんなのよ!」
山田とアリスの純然たる悪口に、くらげはたまらず大声を張り上げた。
「ならこっちだって言わせてもらうぞ! お前達だって急に来てなんなんだ! この健全たる山田部に何か御用ですか!? ええッ!?」
「あれ~先輩たち、もしかして自分たちのやってきたことに心当たりナッシングですかあ?」
くらげの後ろから、またもや人影が出てきた。
子犬を思わせる柔らかなオレンジがかった栗毛。そしてそれが様になっている、アイドル顔の美少年だ。
「ちっす、会計の大空奏って言います。以後お見知り置きを」
語尾にハートマークでも出そうな勢いで片手を敬礼して見せる奏。
個性派揃いの生徒会の面々に、山田は自分たちのことを棚に上げて太郎に耳打ちする。
「なあ太郎、こいつらなんでこんなにウザいんだ? 生徒会だからって学園の全てを手に入れた気にでもなってるのか? タチ悪くない?」
「部長、それ言っちゃ拙いですって!」
「ダァ~!」
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