急募、友達。

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ゲームが始まりしばらく経つ。 そろそろ目当てのモンスターが出てくる頃である。 ネイルさんの側でドサッと音がする。 あ、イチズ君、ネイルさんの画面を真横でじっと見てる。 おいぃー、熱いなぁ!ヒューヒュー! やがて、現れる大型モンスター。 自分たちの武器を見ると、ドラゴンのようなモンスターの尻尾切りは私の仕事だ。 画面から聞こえる呻き声。 『うわぁ!』 ヒロのアバターが吹っ飛んで行く。 『うっ!』 『うわぁ!』 ………。 ここが現実なら、1番肉体的に有能なのは巨漢のヒロなのにな。 っと言うか、ヒロもう召されそうだぞ!? ガバっ!とイチズ君、ネイルさんに食いつく。 「回復!」 「はい!」 「遅い!」 「ごめん!」 部活か? とりあえず尻尾を切る。 これでモンスターが振り回した尻尾にヒロが当たることも無い。 ヒロはとにかくモンスターの頭を狙い、脳震盪を起こさせなければならない。 しかしタイミングがなかなか合わない。 「………………」 「………………!」 「!!?」 えぇっ!!?何っ!!? かっ………カップル2人がヒロを睨んでるぞ! ヒロ、気まずそう。 「罠張って!」 「セイユさん。捕獲で。その方が早いです!」 「う、うん、まぁ急ぎじゃないからぁ」 2人の戦績を見ると、ガチ勢ってわけでもなさそうだなぁ。 立ち回りはむしろ下手な方だろう。 ガチが1人2人いれば、仲間も死なずに終わるようなクエである。 指示厨なのかな? 時間はたっぷりあるし、タイムには拘らないんだけども………。 私まで気まずくなってきた! 早く来て、天使様!
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