生まれて初めてのオフ会

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「ねぇ、私と遊び行こ!ホテルでもいいよ」 うぉぉ、Mさんが大学生を口説いとる。 と言うか、口説いてんのかそれ。ダイレクトだなぁ。 く、口説くのに胃洗浄のゲロの話したんか……。 カラオケボックスのロビーで、3人はそんな話をしていた。 私に気付いた由佳さんは「それじゃぁ、私たちは行きますか!」と足早に私のそばへ来た。まぁいいか、由佳さんと駅まで行って今日はもう帰ろう。 「じゃ、またいつか機会があったらいいですね!今日は失礼しますね」 私が言った時だった。 「俺は、セイユさんとホテルに行きたいんです!」 「!!」 おい、出会い厨が。 私を巻き込むんじゃねぇ! 「え、私そんなつもり……」 だいたい、大学生君はずっとMさんにかかりきりで結局、私とはなんも会話なんぞしなかったぞ? ははぁーん 、把握。 高校生にこんな姿見せられないし、由佳さんは未成年であるし、Mさんの攻撃防御には私しかいないんだな? 目がアウアウしてるもんネ。 「大学生君はセイユさんとエッチしたいんですね?わかりました!では3人で。ダメですか?」 いや、もうおさまんないでしょMさん。 今日の寝床もないって言ってたし。 それにしたって、3人でって…必死過ぎでしょ…。 「では私はこれで、あとは3人にお任せしますね」 あ、由佳さん逃げた! 取り残された3人。 修羅場。 しかも、全然初対面の3角関係でも何でもない。 解決策? 例えば「Mさんもういいでしょwなんかお茶でもしませんか?あ、今日うちに泊まります?」とか言ってみる?家族に出禁にされた挙句、何度も通報されてるメンヘラちゃんを? うーむ、ちょっとリスキーだなぁ。しかも、私の家庭雰囲気は人様に見せられないレベルだし。 ちょっと待って。 そもそも、こいつは出会い厨だよね。 大学生君も悪くない?普通のオフ会ならわかるけど、これはメンヘラオフ会だよ。 メンヘラちゃんって、多いんだよこういう子。 「大学生君と全然、話さなかったですし、いきなりホテルとか。無いですよ」 うむ。私は悪くない。 大学生君は、蟻地獄に落ちた蟻の如く、Mさんに羽交い締めにされホテル街へと消えていった。 オフ会って超面白い。 よしっ、帰りの電車で次のオフ会探そう!
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