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赤面少しは引いたかな……。
お弁当出しっぱなし、て言うかまだ半分しか食べてないのに。
でも、それどころじゃなかった。
私の心臓はまだ落ち着かずに、ドンドンと強くバスドラが鳴り響いていた。
「お帰り-、もしかしてまた告白?」
にやにやして トモヤンが言うのを、りのりんも私の顔を見て返事を待つ。
「ま、まさか!そんなわけ無いじゃん。中学までずっと犬猿の仲だし」
「……その割りには顔真っ赤だよ」
そう言ってニヤリと笑うトモヤン。
「と、とにかく告白ではない」
「あれ?そのピン朝からつけてた?前に無くしたって言ってたのじゃない?」
目敏くりのりんが見つけて言う。
「あ、うん……そう」
途端にさっきのシーンが甦った。
いやーーーーーー!!
違う違う違う。違うから!
出来ればそこいら中をのたうち回りたい。
とにかく落ち着け、私。
言い聞かして、お財布に両手に積まれた小銭を戻した。
……それでも、その日は家に帰ってからも夜寝るまで何度もそのシーンが繰り返されては全身が熱くなった。
しかもそれは、その後もしつこく頭の中でリピートする。
何て単純。
今までの言われ続けた嫌な言葉が、あの一回で払拭とかホント有り得ない。
本当に有り得ない!
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