雨の放課後

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「何だよ、居残りか?」 嫌な声が後ろから聞こえたけど無視。 あなたは幽霊ですよー。 見える人にしか見えませーん。 因みに私はあなたの事は見えませーん。 等と心の中で呟いてみる。 「なぁ、聞けって人の話!」 それでも無視し続けていると、彼がため息を吐く。 ため息吐きたいのはこっちだよ。 早く居なくなれ。 「何でいつもこうなるかな……」 再び背中に大きなため息。 「……可愛いから可愛いって言ったんだろ。何でいちいち卑屈に受け取るんだよ?」 卑屈にさせたのは今までのあんたの言動でしょうが!と心の中でまた呟く。 「……あれさぁ。さっきのあれ。お前に似合うかなって思って去年の修学旅行の時に買ったんだよ、俺も」 ……。 どういう意味か、分からない。 だから、そのまま無視。 「で、その時に渡して告白しようと思ったら、お前同じの自分で買って着けてるんだもん。だからそれ、ずっとうちの俺の机の奥に追いやられてた」
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