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高校で出会ったトモヤンとりのりんと一緒にお弁当。
「ねえ、この前の先輩、断ったって本当?」
トモヤンが言った言葉に、りのりんも心配そうに様子を伺う。
「うーん、何か気乗りしなくて」
「えー?何で?カッコいいのに。それに優しそうだったのに」
目を大きくしてトモヤンが言う。
トモヤンもりのりんも最近彼氏が出来たばかりで、二人を見ていて羨ましいなとは思ってたんだけども、実際私が誰かと付き合うとなると正直ちょっと怖い。
どうしてもあいつの言葉が枷になる。
ブスとかブスとかブスとか。
高校デビューだって正直あいつを見返してやりたかった。
なのに、似合わねーって……。
「どうしちゃったの?何か、怖い顔して……」
りのりんが心配そうに覗き込む。
「えー?何それ。怖い顔してた?やだー」
笑ってごまかす。
でも、いつもそう。
あいつの事思い出すと、いつも険しい顔になる。
やだやだ。
「良いなぁ、二人とも」
本音がポロんと口から溢れた。
「何が?」
「……だって、好きな人に愛されてるじゃん」
箸をくわえながら俯く。
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