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自作の簡単なシューティングゲームをマウス片手に操作。モニター画面の右端の数字をチラリと見た。五時四十五分。
そろそろだ。
ゲーム途中のウィンドウを閉じ、パソコンをシャットダウンした。
「お先っす」
まだカチカチとタイピングしてる部員の二人に声をかける。
「おつかれー」
「はーい」
その返事に片手を上げパソコン教室から出た。部活上がりのすれ違う友達に手を上げ「じゃあな」「おう」と声を掛けあう。靴箱で履き替え、向かう先は剣道部の部室。
「霧島くーん」
振りかえると、同じクラスの山本絢香が駆け寄ってきた。
「剣道部でしょ?」
「うん」
「一緒に行こう」
山本絢香は剣道部の藤川と付き合っている。山本さんも藤川のお迎えというわけだ。ばったり会った時はこうやって一緒に行くこともしばしば。
他愛もない話をしながら、剣道部の前でお互いの連れが出てくるのを待った。ほどなく剣道部のドアが開く。一番に出てきたのは俺の連れの楓風太。
「おつかれさん」
「よお。おまたせ」
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