ノイズ ～雑怨（ざつおん）～ 【完】

十 放置

静まり返る不気味な闇。

目に見えぬ何かに見つめられているよう。

怖い…
帰りたい…

バッグの中から携帯電話を探り出し、親友の携番をタップして耳に当てた。が、

プルッ…

と、それっきり。

あとは、ザぁぁぁーッというノイズに変わる。

何度やっても同じ。

豪雨のようなノイズ。

歩くしかない…

怖いけど…
こんな所にいたくない…