まざりあって

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俺は海に沈んでいた。 仰向けになってゆっくりゆっくり沈んでいく。 目の前には瑞々しい青が揺らめいていた。 もっと奥には、太陽の光に反射してキラキラしている水面があった。 海水と水面と太陽。 この3つが俺の視界いっぱいに広がり、青の濃淡を見事に印象付けた。 水面が遠ざかるたびに、生から離れていくのを感じた。 でも何の恐怖心も抱かなかった。 これは俺が通過すべき儀式。 当たり前のことなんだと。 だからこそ、『俺は死ぬのか』という問いは余りにも的外れだと直感した。 どんな存在も死ぬことはない。 ただ形を変えるだけなのだと。 だから、表面的な存在からより本質的な存在になる。 つまり元に戻ることができるんだという安心感が先行したといっていい。 その安心感が、目の前の美しい青をより彩りのあるものに変えたのだと思う。 目の前の青は芸術的であり、むしろ生気に満ちていた。 俺に語り掛けてくるような錯覚を得るほどに。
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