黒袰の野望

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黒袰の野望

 安田はアンダーグラウンドの片隅にいた。  怪物を倒すとスターが貰える。そんないい伝えがクラインエアーデにはあるらしい。  ドイツ語で小さな地球って意味があるクラインエアーデはデジミスを統括している企業だ。  女とも久しくやっていない。  報酬が手に入ったらブランドの服でも買ってナンパしよう。  スターが増えると報酬が加算されていく。  貧乏は大キライ、ヤマトナデシコで松嶋菜々子が言ってたじゃないか?  政治家Mや宇宙人を倒したがスターが増えることはなかった。やっぱり、デマか?  タキシードの中年が近づいてきた。 「あんさんはもうバカラはやったかね?あれはナカナカ癖になるな?」 「あんなものに手を出したら終わりだよ?」 「可愛そうになぁ?楽しいのにさ?」  見慣れた男が近づいてきた。  教頭の黒袰だ。クロホロ、彼を嫌う奴らからはクロロホルムって呼ばれている。  分厚いサングラスをしている。 「生徒を散々いたぶっていたアンタがこんなところにいるとはな?」  校則を武器に逆らう生徒を次々に粛清していった。「知ってしまったからには生かしておくわけにはイカナイナ?」  黒袰の顔が不気味に歪んだ。 「お~こわ(>_<)教育者のセリフとは思えないな?」  タキシードの周囲に風俗嬢が群がっている。 「助かろうだなんて考えてないよな?」  黒袰が言った。  棺の中に冷凍された遺体があった。  かなりの美女だ。    本校のブレザーだ。 「綺麗だろう?永久的に私のモノだ」  黒袰が低い声音で言った。 「美佳?」  中学生のときにつきあっていた中島美佳にどことなく似ていた。中島美嘉には全然似ていないが、『WILL』がとっても上手だった。 「おまえ、美佳に何をした?」  黒袰がクックッ喉で笑った。 「美佳を生き返らせたいか?」 「頼む!」  こんな奴に頭を下げるのはゴメンだ。  黒袰がコルトパイソンを抜きトリガーを絞った。  バスンッ!  タキシードが血飛沫を腹から吹き出し倒れた。 「仲間じゃなかったのか?」 「忠誠心が40になった」  サングラスには相手の戦闘力、知能指数、生命力、忠誠心、財力の5つが表示されている。 「私もデジミスに参加していてね?ライバルたちをデリートしてほしい」
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