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オコソトノホモヨロヲ
高城亮三郎は日本橋の古本屋、トラ屋とは仲がよかった。参考書をメインで扱っている本屋だ。
亮三郎が生まれた頃、昭和3年に岩波書店でストライキが起きた。中年以上の扱いがものすごく悪かったらしい。
亮三郎は群馬に住んでいる従弟の俊太とよく遊んだ。
メンコで遊んだ。
ゲテモノの1つだ。
切手やマッチ、古時計など書物と関係のない品をそう呼ぶ。
古本屋は独特の数え方をする。
オ(1)
コ(2)
ソ(3)
ト(4)
ノ(5)
ホ(6)
モ(7)
ヨ(8)
ロ(9)
ヲ(10)
ワタシは夕食を作ることにした。
昨夜から水につけておいたカシューナッツをミキサーにかける。粉々に砕けたところにヨーグルトを加えて再びミキサー、ペーストにする。
ラム肉の骨を外し一口大に切る。
30分ほど下茹でする。
アクを抜いて、塩をふりかける。
玉ねぎとニンニクをみじん切りにし、クローブやカルダモン、シナモンを加え、きつね色になるまで炒める。ターメリックやコリアンダーのパウダースパイスをふりかける。表面に油が浮いてきたのを確かめ、トマトの水煮を入れて中火で炒めて、はい完成!
「ラムカレー」 ワタシには鯛野サクラってゆー別の顔がある。
そのことは祖父は勿論、両親も知らない。
そういえば、図書室に行ったらミステリー関係の本がゴッソリなくなっていた。
チャイムが鳴った。食堂にあるモニターを見た。
「あ~、安田だ」
安田は母の姉の息子だ。
しかし、安田はあらぬ罪を被らされて黒老島にある牢獄に入っていたはずだ。
安田がわけの分からないことを言った。
「どうでもいいから俺とエッチしようぜ?」
「はぁ?ナニいってるの?ウチら血が繋がってるのよ?」
「いいじゃん?気持ちよくしてくれよ?」
「やっ、やめてよ」
「ジョークだって…………マジになんなよ?それはそうと、俺を嵌めた真犯人は見つかったか?」
安田を陥れた犯人はワタシだって許せなかった。
「そんなに簡単には分からないわ」
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