井伊一族殺人事件

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井伊一族殺人事件

 安田は古畑光太郎って作者の書いた『井伊一族殺人事件』を読んでいた。  そういや昨日はびっくりしたな?  帰りの列車の中で殺人事件が起きた。  被害者はまたしても里見の生徒だった。  司法解剖の結果、体内からシアン化合物が見つかった。青酸カリに含まれる成分だ。被害者の乗っていた車両は満員だったらしい。  犯人は混雑を利用して被害者の小型注射を首筋に刺したようだ。  亡くなったのは越智竜平ってゆー2年生だ。 『井伊一族殺人事件』は、浅間山が舞台だ。  2008年2月2日、浅間山が噴火した日に井伊直政の末裔たちが次々に殺されていく。  井伊直政は徳川家康の重臣で、赤備えで有名だ。  その日に噴火があったのは事実だし?  横浜で飯野って資産家が殺害されている。  飯野匠って当主と、美佐子って夫人。さらに長男の博樹が殺されている。  飯野博樹は当時8歳。  生きていれば安田と同じ年齢だ。 「バラの殺虫剤は無味無臭って知ってた?」  高城真知子が言った。  越智が亡くなったばかりだとゆーのに、この女は殺人トリックの話をしている。  安田は不思議に思った。 「何で僕に教えるの?自分の作品で使えばいいじゃん?」    高木はニタニタしながらトリック手帳を見ていた。  6666855 666661112 33411 3333322233000  暗号の意味は、部屋に火を放ち死体の死後変化を促進する。スマホのキーをよく見てごらん?  音楽室が焦げ臭い!    安田には北川涼子って恋人がいた。しかし、イタリアで銃弾の雨に打たれて死んだ。  
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