【第一話】 アポロンて誰や

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【第一話】 アポロンて誰や

 はい?  オレは固まってしまった。  今、何かカタカナの名前で呼ばれなかったか?  いや待て。  オレ、日本人ですし、カタカナの格好いいあだ名も今までついたことなかったですし。  哲ちんとか、馬男とか。 いやー、馬男って酷かったよな……あれ。 「アポロン様、どうなさいましたの?」  何も言わないオレを見て、女たちは心配そうな顔をした。  いやいや、そんな風に見られましても。  訳が分かってないんですが……。  アポロンっておっしゃったんですよねお姉さま?  まむろんとかじゃないですよね? 「ねぇ、何か変じゃない?」  返事しないで固まってたら、ついに何かそんな事を言われだした。  まさか、漏らしたションベンの匂いに今更気づかれたか。  しかし、そうではないらしかった。 「いつものアポロン様じゃないわねえ」 「エッチな事言わないし」 「セクハラもしないよ?」  はいはい、分かりました分かりました。  オレをどうやら人違いをされているらしいですね。  しかも、お姉さん方が間違えているのは何だかスケベな奴らしいですね。  いやぁー、困りましたね。  外人と間違えるとかどんだけ視力悪いんですかって感じですね。 ていうか、目が覚めて「エッチな事言わない」とか「セクハラしない」とかいう理由でむしろ心配されるのってどんな人間だよ。  いわゆるあれか?  リア充ってやつか?
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