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オレは間違われているらしいそいつに激しい敵愾心を覚えつつ、体を起こした。
きっと、ものすごくイケメンの金持ちで、女に何しても怒られないタイプの人間だ。
ITとかの社長で、テレビ出てたり本出してたり、いやむしろテレビ局そのものを買おうとする奴かもしれない。
やだやだ。
オレはそんな人間と間違われるような男じゃない。
むしろ、対極にいるような非リア充でどっちかっていうと、「キモーイ! キャハハハ!」とか言われる側の人種だ。
しかし、オレがそう言って女たちの勘違いを正そうとした時だった。
目の前にいたお姉さんが妹らしき人物にとんでもない事を指示したのだった。
「ポリュムニアー、いつものを」
「はいはーい」
オレの前にすっくと立ち上がった中学生くらいの美少女は、唐突にスカート(らしきもの)をまくり上げた。
な、ななんと!
顔を出したのは雪のようにまぶしい真っ白パンツ。
イラストもアップリケもチャームも一点の曇りもない完璧な白。
オトコの夢(?)を具現化したかのような御物がオレの眼前にさらされていた。
あまりにも唐突なラッキーパンチ。
だが、非リア&チキンボーイなオレは思わず後ずさった。
「ちょ、ちょちょちょ、な、なんですかぁあああ!!」
「ねー、カリオペー姉さま、やっぱりなんかおかしいよー」
「そうねえ……ポリュムニアー。いつものアポロン様なら大喜びで顔つっこむのに……」
「全力でクンカクンカしてくれるよねー?」
「そっちの方がおかしいだろうがっ!」
オレは思わず初対面の美女たちを怒鳴りつけてしまった。
後から考えるとお礼を言った方が良いかもしれなかったかも……っていやいや。
しかし、初対面の男を破廉恥漢扱いするほうもするほうだ。
この人たちは痴女の集まりなのだろうか。
そして、やっぱりオレをどこかの変態リア充野郎と勘違いしているらしい。
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