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さっきの笑顔に油断した。
セクシーな視線の奥に何かいた。
蒼い瞳の中に「雌ヒョウ」がいるのをオレは見てしまった。
うわぁ、食われる。
しかしそう思っても遅かった。
「私たちが、必ず思い出させて差し上げますわ。アポロン様とわれらミューズ9姉妹とのめくるめく甘美な日々を……」
「あ、あの、カリオペーさん?」
「どうか……カリオペーと」
「ちょっ……」
ちょっとむっちり気味の柔らかい腕がオレの首に回される。
ギリシャ神話の世界なので、カリオペーお姉さんはノースリーブっぽい服。
そしてオレは片方の腕が丸出しでRPGの勇者みたいなスカスカな恰好。
あの栗生によく似た子もそうだったけど、あんまり密着するとまずいわけで。
柔肌がダイレクトリーに触れ合ってしまうわけで。
パイオツの感触が今度こそオレのいけない感覚を刺激してしまうわけで……。
「アポロン様……どうかカリオペーと今宵……」
耳元にかかる暑い吐息。
肩から腰。
腰からさりげなく太腿に移行するその手つき。
カリオペー姉さんは「慣れて」いらっしゃった。
「私が全てを……思い出させてさしあげます」
ついにその手は「前」に回ってきた。
手の感触がオレの「イケナイ」部分に近づいていく。
うぁああ、オレやべえ。
もう、逃げられねえ。
いやぁあああ!
お母さん助けてーーーー!
しかし、そう思った時だった。
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