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『おい! 救急車まだなのか!』
『今来ました!』
『はいはい、場所開けて』
ゴミ捨て場のオレの傍に、救急隊が到着した。
マスクをしたヘルメットの人たちがオレの傍にやってきて声をかける。
オレは答えない。
救急隊の人たちはオレを担架に乗せ、救急車に運び込んだ。
救急車は病院へと向かった。
「ねぇ、アポロン様、この人だれ?」
「……オレだ」
息を殺し、オレはその光景に見入っていた。
ストレッチャーに移されたオレは救急車の中で酸素マスクをつけられていた。
周りの人たちは相当慌てている。
オレの顔は真っ青。
おいおい。
大事じゃねえか。
『あーあー、こんなに漏らして。急性アルコール中毒かい?』
『ええ……かなり重症です』
『まずいね、こりゃあ』
まずいって一体なんだ。
どういう事なんだ。
ションベン洩らしたのとかどうでもいいくらいの事態になってるらしいのは分かった。
でも、一体これは――――
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