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「お気の毒に。あれが、あなたなのですね」
「……うん、そうみたいだ」
「あの白い箱の中にご遺体が?」
「そう。葬式が終わったら、あのまま火葬場に持ってって焼くんだ」
ギリシャ神話の連中にはピンと来ないだろうが、日本ではいつまでも死んだ人間の体をそのまま置いておいては貰えない。
葬式が終わったら速やかに霊柩車で火葬場に運んで行って真っ白な骨になるまで焼いてしまうのだ。
オレも骨になってしまうのか。
もうあそこには帰れないのか。
そう思うと、つまらないばかりだった自分の人生が急に惜しくてたまらなくなってきた。
「なぁ、何とか戻る方法はないのか?」
「えっ」
「アポロンって神様を生き返らせようとしてオレ、こうなったんだろ? 何か方法ないのかよ!」
「それは……」
「何かあるんだろ!!」
問い詰められたクレイオーは困っていた。
オレもクレイオーに何か言ってもダメな気がした。
でも、何か、何か。
何でもいいから方法が欲しかった。
その時急に、「ミニチュアの世界」に動きが起きた。
オレの死体が入っている棺の蓋がガタガタと動き、弔問客が悲鳴を上げていた。
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